新規代謝調節型グルタミン酸受容体アゴニストによる神経細胞保護作用の研究
Project/Area Number |
09672295
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
医薬分子機能学
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
篠崎 温彦 東京都医学研究機構, 研究員 (20109945)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 美知子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (90124437)
宇山 佳明 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20281686)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | グルタミン酸 / グルタミン酸受容体アゴニスト / 神経細胞死 / 脊髄 / 出血 / BOAA / NOS inhibitor / MK-801 / グルタミン酸受容体 / 脊髄運動ニューロン / L-NAME |
Research Abstract |
これまでに私共は、新生ラットにグルタミン酸を大量に皮下注射すると、後肢の麻痺・筋萎縮・発育不全、関節の拘縮を伴う脊髄下部運動神経細胞の破壊が起こることを報告してきた。さらにグルタミン酸投与後、2-3時間後から、脊髄下部に出血が生じることを見い出した。今年度は「興奮性アミノ酸による神経細胞死の原因の一つに、出血による血流障害が関与する」との仮説に基づき、薬理学的な検討を行った。まず各グルタミン酸受容体サブタイプのアゴニストによる出血の有無を調べたところ、β-oxalylamino-L-alanine(BOAA,AMPA型受容体アゴニスト)で、激しい痙攣の後に後肢対麻痺が起こり、グルタミン酸の場合と同様に、腰髄以下、特に仙髄の硬膜下、脊髄実質に顕著な出血が生じた。呼吸抑制により死亡する例も見られたが、グルタミン酸に比べて、後肢対麻痺の発症率が高い(発症率58%、死亡率17%)。グルタミン酸及びBOAAによる出血ないし神経細胞死はNOS inhibitorのL-NAMEにより抑制され、AMPA型受容体アンタゴニストでは抑制されなかった。またNMDA型受容体の強力な遮断薬MK-801はグルタミン酸による出血及びその後の脊髄下部の萎縮をほぼ完全に抑制した。しかし、BOAAに対しては発症率、出血ともに殆ど効果はない。NMDA型受容体の競合的遮断薬は両者に無効であった。一方-、代謝調節型グルタミン酸受容体アゴニストのL-F2CCG-Iは何ら影響を与えなかった。興奮性アミノ酸による脱分極発生と脊髄出血とでは薬理学的に性質が異なることが判明し、非常に興味深い。この出血の機序を解明することは、グルタミン酸受容体の生理的機能を理解する上で極めて重要と考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(20 results)