Project/Area Number |
09710002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Philosophy
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
加地 大介 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (50251145)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 時間的多世界説 / 貫時点的同一性 / 時間的生成 / タイムトラベル / パラドクス / 存在論 / 時間論 / 実在論 / 多世界説 / 時間 / 様相 / 貫世界同一性 / 可能世界 / 時点 / 実在 |
Research Abstract |
存在論として時間的多世界説を採用した場合、個体はそれぞれの時点に現在する瞬時的存在者と考えられ、それらの間で何らかの意味での貫時点的同一性が成立していると見なされることになる。報告者は、その同一性を時間的生成の関係として捉えることが適切だと考える。すると、時間的生成関係についての存在論的究明が要請されることになるが、報告者は少なくとも次のことが成立すると考える: (1) 時間的生成関係は実在的関係である。 (2) いかなる個体i,jについても、iからjが生成したならば、iが現在する時点での実在世界において、jは実在しない。 (3) いかなる個体i,jについても、iからjが生成したならば、jが現在する時点での実在世界において、jは実在する。 このような存在論を採用した場合、どのような存在論的帰結が生ずるかについて、本年度は研究を行った。その結果、この存在論のもとでは、タイムマシン物語などで通常想定されているような過去へのタイムトラベルを我々が行うことは不可能であるということを、論文「過去へはなぜ行けないか--タイムトラベル論覚書(1)」(埼玉大学紀要教養学部、第34巻)において証明した。それによって、その不可能性は、時間的生成の概念との両立不可能性であるという点で、論理的不可能性とも因果法則的不可能性とも異なる、まさに時間的不可能性であることが示されたことになる。また、過去へのタイムトラベルに伴うものとして知られているいくつかのパラドクスは、時間的生成が実質的に否定されている全体的状況設定のもとで、生成を前提している日常的設定を行うことによってもたらされるものであると主張した。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)