Project/Area Number |
09710005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Philosophy
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Research Institution | Osaka University (1998) Tokai University (1997) |
Principal Investigator |
望月 太郎 大阪大学, 文学部, 助教授 (50239571)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | メーヌ・ド・ビラン / 生命 / 人間学 / 記号 / 因果性 / 心身関係 / 形而上学 / 自我 / メ-ヌ・ド・ビラン / 生理学 / 機械論 / 生気論 / 実証主義 |
Research Abstract |
今年度は最終年度であり、したがって研究を纏めるべく努力し、メーヌ・ド・ビラン哲学の全体像を以下のように総括した。 メーヌ・ド・ビランは、科学批判(ニュートン主義批判)と形而上学批判(デカルト-ライプニッツ主義、経験主義、カント主義批判)を通して自我論を構築し、心理学をもって新たな第一哲学となす。ビラニスムの形成と展開の過程は、批判を通して残された諸問題(記号の起源、因果性の原理、心身関係等々)を自我論のうちに回収してゆく過程であり、また形而上学の再生をはかる過程でもある。こうしてビランが目指したのは、旧い知の枠組みを刷新することを通して、新たな「人間の形而上学」を立ち上げることであった。この形而上学は、自己の経験をほかでもない人間存在の経験として定位するところに、その出発点を見いだす。この定位は、ビランにおいて初めて実現された。この実現が先立つ批判によって規定されていることを忘れてはならないと同じに、それにもかかわらず残存する形而上学的なものがビラニスムを形而上学へと導いている点に注意を払わなければならない。批判にもかかわらず残存するもの、それは自我の存在感情である。客観性の下にはいかにしても晒されることのない主体。それを見い出す反省。これらは反形而上学を標傍する初期ビラニスム(『分解論』)にあって、すでに形而上学の予兆である。 なお、こうした形而上学への傾向は、同時代の実証主義への傾向(コント)と対立するが、エクレクティスムであるという点では、軌を一にすると見ることもできる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)