Project/Area Number |
09710062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Kawamura College |
Principal Investigator |
戸沢 純子 川村短期大学, 生活学科, 講師 (40211396)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 大きさ知覚 / 視角の知覚 / 空間視 / 距離知覚 / 因果解析 |
Research Abstract |
本研究は,大きさ知覚はみえのリニアな大きさとみえの視角という2つの異なった成分から構成されるという仮説の検証を行うことを目的とする.本年度の研究は,先行研究と昨年度に実施された実験結果の再分析を通して,総合的に大きさ知覚の過程について考究し,学位論文(未公刊)の一部として報告した. 諸研究結果の再分析に当たり,視角の知覚は先行研究においてどのような特徴を示したのかをまず問題とした.従来の研究として,実験的にみえの視角を測定した研究(e.g.,Foley,1965)とともに,教示効果の検討として報告された実験データを含めた再分析を行った.例えばGilinsky(1955)は,網膜(retinal)教示による大きさ評価を報告している.このような網膜教示効果の研究と,視角の知覚の実測研究をあわせて分析した結果,視角は過大評価されることが一貫して示された.次に,みえのリニアな大きさとみえの視角それぞれの正確さを問題とした.従来の大きさ-距離不変仮説に対する検討は,網膜情報が正確に登録されていることを暗黙にも仮定する.大きさ知覚の経験がみえのリニアな大きさとみえの視角という2重の計算による過程であるならば,視覚情報処理段階のより初期的な属性と推定されるみえの視角を基準として,みえのリニアな大きさが主として関与する大きさの恒常性処理が行われる可能性が考えられる.正確さの指標として,擬似的なWeber比と見なせる相対誤差を用いた.従来の諸研究と本研究結果に対する検討から,みえの視角はみえのリニアな大きさに比べて正確さの低いことが,ほぼ一貫して示された.これらの検討を通して,2つの大きさ知覚を「図」と「地」の関係と推定し,これらに関与する手がかりの生態学的妥当性などを含めて大きさ知覚の過程を考究した.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)