Project/Area Number |
09710073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
数井 みゆき 茨城大学, 教育学部, 助教授 (20282270)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アダルトアタッチメントインタビュー / 愛着の世代間伝達 / アタッチメントQセット法 / 愛着の内的作業モデル / 夫婦・家族関係 |
Research Abstract |
親子関係で主要となる心理的概念が「愛着」である。この愛着が安定的に育まれている時、人は社会的・対人関係的において、良好な発達を遂げていくことが報告されている。近年、親自身の愛着状態によって、子どもの愛着もある程度決まってくると考える「愛着の世代間伝達」を支持する結果が報告されている。特に欧米では、AAI(アダルトアタッチメントインタビュー)を親側の愛着状態の指標とした研究が盛んであり、その有効性は検証されてきている。ただし、AAIの適用はほとんど欧米圏のサンプルにとどまっている。そこで本研究では、このAAIの妥当性の検証を1つの目的とすると同時に、日本における、愛着の世代間伝達の可能性を検討することが目標である。特に、AAIの分類法が、日本の話法に適用できるのかどうかという点、つまりAAIが通文化的な普遍的妥当性があるのかどうかを検証し、そして、AAIとAQS(アタッチメントQソート法)との関連を検証することで、愛着の世代間伝達を吟味する。 その結果、53組の有効母子データのうち、母親の愛着3分類の結果として、安定型35名(66.0%)、愛着軽視型11名(20.1%)、とらわれ型7名(13.2%)となった。また、未解決型を含む4分類では、安定型34名(64.1%)、愛着軽視型8名(15.1%)、とらわれ型5名(9.4%)、未解決型6名(11.3%)であった,このような分布状態は欧米のサンプルと類似しており、日本人においても、なんらかの個人特性を識別しうるものであるということがわかる。また、基準妥当性を問う、子どもの愛着との関連では、安定型の母親の子どもで愛着が一番安定している結果となった。このことは、世代間伝達仮説ならびに欧米圏における研究結果の方向性に沿うものであり、AAIが日本人母親の愛着表象をとらえるのに、ある程度妥当なものであることを示している。
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