Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,自己説明活動中の記憶補助,認知的支援として,電子化されたダイアグラム機能がどのような効果を持っているのかを検討することであった.自己説明活動は,学習者自身が能動的に自らの知識を反省し,学習を展開する活動を支援する新たな教授的介入であり,これまでその効果が検証されていた.本研究は,さらにそうした教授的介入をさらに促進するための新たなメディアとしてダイアダラム機能を付加して,学習者の概念的理解がより促進されるか,2つの実験をとおして検討した. まず第一実験では,新たに付加するダイアグラム機能の学習効果を検討するために,2つの実験条件(通常の自己説明群,およびダイアダラムを用いた群)の下で,学部生8名を対象に「記憶のメカニズム」についての学習を展開してもらった.事後テストの評価の結果,ダイアグラムを用いた学習者の方がより高次な概念的理解に到達しており,自己説明活動中にも知識を再構築する活動により頻繁に従事していたことがわかった. さらに第二実験では,同じ教材を繰り返し学習させることで記憶の負担を軽減させたとき,さらにダイアグラムを用いることに学習効果が見られるかどうかを検討した.16名の学部生が第一実験と同じ手続きで「記憶のメカニズム」を2日間にわたって繰り返し学習した.その結果,概念的理解を測定する事後テストの得点では群間に差が見られなかったが,学習活動においては,第一実験と同じようにダイアグラムを用いた学習者はより有効な知識構築活動に従事していたことがわかった. これらの結果から,ダイアグラム機能は自己説明活動の質を変化させる効果を持ちあわせているが,それ自身が概念的理解を必ず促進するわけではないことがわかった.今後,さらに概念的理解を常に促進できるよう,教授的介入のあり方を検討する必要がある.
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