知的障害者に対する自己決定・意見表明への援助-個別面接を通して-
Project/Area Number |
09710160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Shikoku Gakuin University |
Principal Investigator |
新保 穏子 (杉田 穏子) 四国学院大学, 社会学部・社会福祉学科, 助教授 (50270012)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 知的障害者 / 自己決定 / 意見表明 / 個別面接 / カウンセリング / セルフ・アドヴォカシ- / 施設の閉鎖性 |
Research Abstract |
施設で生活をする知的障害者に対して個別面接を年に4回実施している。本人記入のアンケート結果より希望者のみに面接を継続している。95年9月より実施しており、99年3月までに対象となったのは32名(うち継続希望者13名、退所者゚5名、辞退者7名、その他7名)である。回数は最多は15回、最少は1回である。面接を継続する中で、2つ知見が得られた。(1)対象者が自信をつけ、自分を肯定的に表現しはじめること(2)施設の規則や職員への要望を表現するようになってきたことである。ただ彼らの要望は面接の中でのみ語られているに過ぎず、施設の規則に反映されたり、職員に伝えるまでには成長していない。彼らの了承を得たうえで、彼らの要望を筆者が職員に伝えるという試みを2回もった。職員は、その7割が筆者の面接活動を「施設で生活する人のストレスを発散する場」として評価していた。その一方で、筆者が面接に基づいて彼らの要望と具体的な改善(起床就寝時間・金銭や薬やロッカー管理の改善)を提案すると反発が強かった。しかし施設長は筆者の提案を一部実施したいとの意向であった。来年度は面接を年に6回に増やしつつ、職員との話し合いの時間を長く取り、施設生活者の生活改善にむけて協力できる体制づくりを行う予定である。 筆者は、97年、98年共に8月に.スウェーデン、イエテボリを訪れ、知的障害者団体FUBの代表者アンデッシュ・ベルシュトローム氏に本研究についでのレビューをうけた。彼によると、施設のもっている閉鎖性は世界共通の問題で奔ること、スウェーデンは知的障害者施設解体を世界ではじめて実施しており、問題・混乱もあるが、障害者の生活の質は大きく向上し、障害者本人が幸福感が感じている。筆者の研究について、障害者の気持ちを聴いていくことはとても大切であり、また彼らの要望を職員だけでなく、施設外の人に伝えていくことが大切であるとのアドヴァイスをいただいた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)