Project/Area Number |
09710261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
岡 元司 和歌山工業高等専門学校, 一般教育科, 助教授 (10290777)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1997: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | エリート / 永嘉学派 / 環境史 / 森林破壊 / 人的結合 / ソシアビリテ / 南宋 / 温州 / 科挙 |
Research Abstract |
平成10年度においては、主として以下の2方面についての分析をおこなった。 1. 南宗期温州のエリートの活動の特色を考察するうえで欠かすことができないのは、海港都市としての温州の経済的状況である。この点について、最近脚光を浴びている「環境史」の視点を導入し、分析をおこなった。すなわち、温州・明州といった南宋期浙東地域の海港都市において、人口増による薪炭需要、および対金国の軍備増強のための造船業の重要性の高まりによって、周囲の森林破壊をまねき、水害が増加した。また、銅銭不足のために南宋朝が日宋貿易を制限したにもかかわらず、中国の木材不足のため、日本との密貿易は跡を絶たず、軍船不足による民間船・漁船の徴発とも重なって、海窓の増加をまねいた。このように海港都市温州をめぐる経済的状況は、従来言われているほどには長期安定的な活況を呈しておらず、そのことが温州の永嘉学派の発展にも限界性を及ぼしていた。以上の内容については、「南宗期浙東海港都市の停滞と森林環境」と題し、雑誌論文として発表した。 2. 平成9・10年度の研究の総括を兼ねて、平成11年3月21日に東京大学文学部にておこなわれた宗代史研究会シンポジウム「宗代研究者からみた中国研究の課題」において、基調報告者の一人として、「宋代地域社会の人的結合ー“Public Sphere″の再検討を手がかりとしてー」と題した口頭報告をおこなった。この報告においては、これまでの岡自身の南宗期温州のエリートの人的結合に関する研究をまとめ、宋代地域社会史研究における人的結合の研究の重要性を述べるとともに、ヨーロッパ史における「ソシアビリテ」(社会的結合)論についての動向を紹介することを通して、中国史の人的結合研究の世界史的意義について論じた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)