Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
本研究においては、考古学会のみならず日本中世史学会においても不明確である、戦国期城下町成立期の都市遺構を発掘調査や地籍図調査によって明らかにした。特に、(1)論文においては、周辺の守護所の消長及び村落の動向をも考古学的に把握して、その地域構造の変質を明らかにした。大桑城下町遺跡を地籍図調査する理由は、近世城下町の起源になる織豊系城下町の初期段階である岐阜城下町に関連する守護所大桑城下町の町屋部分が不明で、さらに周辺での守護所の発掘調査が進展しており、他地域と比較して最も当該期の典型的動向を表すと考えたからであった。次に、方法的に独創的な点は、膨大な遺構資料をデータベース桐を利用して、時期別重ね合わせを実施し、遺構の繋ぎ合わせと空間構造の変化の考察をした。それは、論文(2)に示した。さらに口縁部計測法によってデータ処理したものを表計算ソフトを利用して、遺物組成比を基本にした遺物の様式論的考察をも加味して、守護所廃絶から戦国期城下町成立期の社会構造の変化の様相を把握した。
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