国語史資料としての鎌倉時代法談聞書類の発掘と用例データベース作成に基く体系的記述
Project/Area Number |
09710293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国語学
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
土井 光祐 実践女子大学, 文学部国文学科, 講師 (20260391)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 鎌倉時代語 / 法談聞書類 / 伝授 / 明恵 / 高山寺 / 声点 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、鎌倉時代法談聞書類の実地調査及び電子化テキストの作成、データベースの構築を実施した。 特に本年は、明恵上人関係の法談聞書類の内、声点の見られる文献を中心に、語彙データベースを作成し、考察を行った。明恵上人関係法談聞書類には、和語に声点の指された例が大量に存しており、夙に注目されていたが、この声点が如何なる目的で付されたかという声点の目的の問題については、未解明であった。語彙データベース作成に基づく網羅的な分析を施した結果、同資料群の声点は、従来の説とは異なり、明恵上人の聞書類に混入した特異な表現、中世語的・口語的徴証に集中し、又、資料内に確認される同仮名異語との弁別をはかるために加えられたものであることが判明した。要するに声点は、当時の片仮名交じり文において一般的ではない非書記言語的な表現に対して確実な同定を行うという機能を担っているわけである。 又、金沢文庫保管「華厳信種義聞集記」は、明恵上人の講説の聞書類として非常に有名な文献であるが、同資料の本文の性格について、網羅的な語彙データベースを基に分析した。 以上の成果の一部は、「鎌倉時代法談聞書類の差声和語について」(訓点語と訓点資料第102輯)、「金沢文庫保管「華厳信種義聞集記」の本文の性格について」(金沢文庫研究第301号)として発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)