認知様式とコミュニケーション意図に即した文類型の研究
Project/Area Number |
09710297
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国語学
|
Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
森山 卓郎 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (80182278)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 例示 / 文末制約 / 独り言 / 文法的読み / モダリティ / 終助詞 / ム-ド / コミュニケーション / 文類型 |
Research Abstract |
言語表現は我々の思考のプロセスから無関係ではない。本研究では、そうした認識のさまざまなあり方が日本語に如何に反映しているかということを、コンピュータによる用例収集などをもとに研究した。逆に言えば、従来あまり研究が進んでいなかった文の表現について、認識のあり方という切り口から分析を試みたのである。具体的には、まず、「今、帰る」「〜と思う」のように独り言で言えない文のタイプを整理し、思考のプロセスを表す文と思考のアウトプットを表す文との違いを明らかにした。これに関連して、思考のプロセスにどう対応するかという観点から、従来難しいといわれていた「ぞ」などの終助詞の記述も試みた。これは、「独り言をめぐって」『日本文法 体系と方法』(ひつじ書房)にまとめた。次に、文末の叙法を決定する成分についても分析し、「本でも読んだ」とは言えない(「本でも読もう」なら可能)という、従来未解決だった問題について、「か何か」のような例示形式との違いを手がかりにしつつ、「例示」の意味構造を分析することで説明した。これは、「例示の副助詞『でも』と文末制約」『日本語科学』3に発表した。また、こうした文法研究を国語教育に活かす方途について、「文法的に読むということ」『月刊国語教育』98-1にまとめ、文学的「よさ」が文法から説明できるものである、ということを示した。ほかに、文章構造と文末叙法との関係を説明することを考えており、現在論文を準備中である。いずれも、「人間らしい」思考様式に着目し、それが言語表現にどう反映されているか、というモデルによって文法の研究をするものである。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)