初期消費社会の諸側面(gender,class,race)とアメリカ文学
Project/Area Number |
09710341
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
英語・英米文学
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
好井 千代 大阪大学, 文学部, 助手 (90200930)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 19世紀 / 都市 / 人種 / モダニティ / リアリズム / ハイブリディティ / グローバル文化 / アメリカ文学 / 大衆消費社会 / ロマンス |
Research Abstract |
今年度(1998年度)の研究成果としては、まず、臨川書店から発行されている『英文学春秋』の1998年春号(4月)に発表したヘンリー・ジェイムズの小説 What Maisie Knew の論考を、19世紀西欧社会の人種差別と金銭至上主義という2大潮流の詳細な分析を盛り込んで更に発展・拡大し、この研究は、『藤井治彦先生退官記念論文集』に英語で掲載予定(1999年3月発行予定)である。また、この研究で考察した19世紀西洋文化と人種のトピックにグローバル文化とハイブリディティの問題をからませて研究の幅を広げ、その成果は、それにジェイムズの小説 the Golden Bowlの分析をつなげて、京都大学で開催された日本英文学会で口頭発表した。具体的には、この小説に登場するユダヤ人や混血の人物に注目して、彼らの文化の特質とモダニティとの関係についての考察を通して、同時代の西洋社会におけるグローバル文化やハイブリディティの問題を考えた。19世紀西洋文化と人種のトピックという研究テーマは、リアリズム小説というジャンル論の視点からも、多角的に考察した。社会のありとあらゆる領域をスリリングなスペクタクルとして観察し掌握しようとするリアリズムが、19世紀末に地球規模に拡大した西欧の帝国主義やその文化(万博やデパート、記録写真のなかのエキゾティシズムなど)といかに密接な関係があったかを現在も研究中だが、その成果の一部は、週刊朝日百科『世界の文学』のシリーズ(1999年7月より朝日新聞社から刊行開始予定)のコラムに掲載予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)