現代アメリカ舞台芸術の理論と実践における被抑圧のポリティクスの諸問題の研究
Project/Area Number |
09710351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
英語・英米文学
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Research Institution | Toyoko Gakuen Women's College |
Principal Investigator |
戸谷 陽子 東横学園女子短期大学, その他部局, 講師 (30261093)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 表象文化論 / ポリティクス / クィアー・セオリー / NEA / 舞台芸術理論 / 身体論 / NEA(国家芸術基金) / 検閲 |
Research Abstract |
本研究の目的は、被抑圧の側から提起され、近年展開を見た、ポストコロニアリズム、クィア・セオリー、ジェンダーおよびセクシュアリティの問題を現代アメリカ演劇および舞台芸術における理論と実践の両面から検証し、文化に表象される権力と支配の構造と、ポリティクスという意味における政治意識と文化に対する意識を考察することで、演劇・舞台芸術における新たな表象文化論の方向性を探ることにある。 本年度は、前述のテーマに関する研究書、学術雑誌、関係資料等を収集、通読する作業を継続し、さらに、芸術活動と公的助成金の関係、それに関わる身体のポリティクスについて意識しつつ調査・研究を行った。また特に、この研究に歴史的・社会的視点を加えるため、リヴイングシアター、パフォーマンスグループ等の前衛演劇が顕著に政治化した1968年前後との比較を意識しつつ研究を進めた。アメリカ国内での芸術活動を取り巻く社会的・政治的状況は、この十年ほどの間に大きく変化し、例えばNEA(国家芸術基金)の分配をめぐりさまざまな論議がなされている。また80年代のレーガン政権、AIDSの蔓延、90年の湾岸戦争の影響を受けて、舞台芸術も再び政治化したが、そこに表象される身体の在りようは、1968年世代とはまったく異なるものであったことが確認された。この点からも、身体のポリティクスの変遷をさらに丹念に検証する必要性を感じ、現在歴史的な視野を含めてこの問題を総括する作業を進行している。その際、本研究の要点として掲げたポストコロニアリズム、クィアーセオリー、ジェンダーおよびセクシュアリテイの位相において検証することは大変有効であり、また学問的にもこれらと密接に関わる文化とポリティクスの諸問題が、現在のアメリカの舞台芸術環境を大きく左右し、また複雑化させているするものであることが明らかになりつつあり、さらに動向を見守ってゆきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)