Project/Area Number |
09720027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
川地 宏行 三重大学, 人文学部, 助教授 (90262831)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 適合性原則 / 説明義務 / 助言義務 / 証券取引法 / 先物取引 / ディスカウントブローカー / 融資者責任 / 投資勧誘 / 情報提供義務 / デリバティブ取引 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、ハイリスクを伴う投資商品の勧誘に際して投資勧誘者に課せられる投資家保護義務について研究を継続するとともに、投資資金を融資した金融機関の民事責任(融資者責任)に関する研究を行った。具体的には、以下の成果を得た。 1. 適合性原則(投資家の属性や投資目的に適合しない投資商品の勧誘を禁止する法理)の意義についてドイツにおける助言義務に関する判例法理、証券取引法31条以下,アメリカにおける全米証券業協会規則2310、SEC規則10b-5、ならびに、先物取引の領域において適合性原則の導入が見送られた経緯等について重点的に考察した。分析の結果、適合性原則が説明義務違反とは異質の独立した違法性判断基準であること、顧客に関する情報の収集を投資勧誘者に義務付ける「顧客熟知原則」が適合性原則と不可分の関係にあることを解明した。 2. 安い手数料で投資を仲介するディスカウントブローカーに関して、如何なる要件の下で如何なる範囲の義務が軽減あるいは免除されるのかという問題について、ドイツ連邦証券取引監督庁のガイドラインの分析を行い、助言義務と説明義務とを区別する必要があることを解明し、説明義務軽減のための要件について指針を提示した。 3. 投資資金を融資した金融機関の投資家(借主)保護義務についてドイツ法の分析を試み、無資力リスクを負担する金融機関に一般的なかたちで過剰融資防止義務や担保適正評価義務を課すべきではないことを解明し、さらに、金融機関が投資家に対して説明義務を負う例外的状況を四類型に分類して、各類型毎の成立要件と効果(義務の範囲)について検討し、問題解決のための準則を示した。
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