Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
平成10年度の研究実績は、以下2点に挙げるような資料集を作成した点である。第一に、19世紀半ばから20世紀初頭にかけてのタイの外国に関する外交関連データとして、(1)タイ外務省編『外務省史』などによる、タイ政府の在外公館に関するデータ(在外公館設置年、大使・公使・領事人事)作成、(2)『タイ法律索引目録』及び『官報』(但し1908〜1933年分;両者とも日本貿易振興会・アジア経済研究所蔵)を利用しての外交関係(領事・外交使節・条約)「布告」の翻訳・編集、(3)浦野起央編・著『資料体系アジア・アフリカ国際関係政治社会史 第2巻 アジアIh』(パピルス出版、1988年)「5・タイの領土問題」に掲載されている条約の抜粋、以上の作業を行った。このうち、(1)の作業は、先行研究のない、本研究の大きな業績の一つである。第二に、同上時期における諸外国のタイに関する外交関連データとしては、秦郁彦編『世界諸国の制度・組織・人事1840-1987』(東大出版会、1988年)、その他もろもろのタイ外交史に関する研究書や博士論文などから断片的な資料を拾い集め、タイに派遣された外交官の氏名・任期などのリストを作成した。特に、19世紀初頭から第二次世界大戦前までシャム外交に大きな影響力を及ぼしたイギリスについて、詳細な外交官データを作成することができた。なお、本研究に関連して、「書評論文:パトリック・タック『フランスの狼とシャムの羊-シャム独立に対するフランスの脅威-1858〜1907年』」(『南方文化』第25号、1998年11月号)を発表した。
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