東アジアの経済開発と国際資金フロー -韓国とマレーシアの比較研究-
Project/Area Number |
09730041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済政策(含経済事情)
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Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
平木 隆之 北海道東海大学, 国際文化学部, 講師 (00281288)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 東アジア / 外資導入政策 / コンテスト的マーケット / 直接投資 / 「序列なき」国際分業 / 「マレー半島型」工業化 / 東アジアの奇跡 / まぼろしのアジア経済 / 国際資金フロー / 雁行形態パターン / 直接投資主導型成長 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、東アジアの経済開発と国際資金フローの役割をテーマとし、東アジアの外資導入政策と市場メカニズムの関係を韓国とマレーシアの比較分析を通じて考察した。韓国は、政府部門が中心となって借款を主要形態とする外資導入を行った。政府部門が直接借入れるか民間部門の借入に対して支払保証を与える「公的・公的保証付き借款」が最も多くみられることから、韓国の外資導入は「政府主導型」であるといえる。しかし、政府主導型といっても、それは市場メカニズムから独立ではなかった。韓国政府は、導入した国際借款を最も輸出パフォーマンスが良好な返済力のある民間主体に優先して供給した。その結果生み出されたのが今日の韓国の巨大財閥である。すなわち、韓国政府が輸出指向工業化という市場メカニズム志向型の開発戦略のルールを設定し、そのルールのもとで競争を促進するという「コンテスト的マーケット(contestable market)」と外資導入が結合したといえる。 一方、マレーシアやシンガポールは、戦略的に重要な産業を選定し、その産業分野の育成に対して積極的に直接投資を導入する「直接投資依存型」の外資導入政策を採用した。しかも、その直接投資の積極的な導入により先進国の技術・経営ノウハウを吸収する時間を短縮し、労働集約的な産業における輸出指向型工業化段階を経験することなく、電気・電子産業を中心とする資本・技術集約的な輸出指向工業化段階へと「飛躍」した。これは直接投資を活用することにより産業発展の「序列」を飛び越える「序列なき」国際分業の形成を意味する。しかも、この「序列なき」国際分業は、マレーシアとシンガポールというマレー半島に共通することから「マレー半島型」の工業化と呼んだ。
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Report
(2 results)
Research Products
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