近代フランス社会における「ブルジョワジー」の政治経済的特質
Project/Area Number |
09730047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic history
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小田中 直樹 東北大学, 経済学部, 助教授 (70233559)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | フランス / 社会経済史 / ブルジョワジー / 名望家 / 普通選挙制度 / 近代史 / ブルジョワジ- / 選挙理論 |
Research Abstract |
本研究は、一九世紀フランスの支配階層とされる「ブルジョワジー」の政治経済的な特質について、第二共和制期に成立した(一八四八年)男子普通選挙制度に対する彼らの対応を分析することによって接近することを課題とした。具体的には、以下のような三つの問題が設定された。第一に、この制度によって選挙権を与えられた、財産と教養を持たない「民衆」を彼らはいかに認識していたか。第二にこの制度が導入されたことを、彼らは社会構造の変動とみなしたか。第三に、彼らはいかなる社会構造を選好したか。また、分析の対象については、研究を進める中で、一八五〇年に制定された新しい選挙法の制定および旅行過程に絞られた。 分析から得られた知見は以下のようなものである。第一に、この法律は、同一小郡内に三年間居住することを有権者の資格要件としたが、その背景には民衆に対するブルジョワジーの不信感があった。第二に、その不信感とは、具体的には、一方では民衆が一ヶ所に定住せず、そのため地域のブルジョワジーのパターナルな支配から逃れる存在だったこと、地方では労働の成果である財産を民衆が持っていなかったこと、これらから生じていた。つまり、普通選挙制度の導入には、パターナリズムや財産所有にもとづくそれまでの社会構造をゆるがせる危険があると考えられていたのである。またブルジョワジーは、この法律によって、それまでの社会構造を再建しようと試みた。第三に、ただしパターナリズムと財産所有には、場合によっては対立する可能性があった。両者のどちらを重視するかをめぐって、ブルジョワジーの内部にも対立の契機があった。 以上の知見を踏まえた上で、研究の対象を第二帝制期に移し、ブルジョワジーの動向を選挙制度という観点からさらに探求することが今後の課題である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)