地域における労働者の技能の蓄積と中小企業の経営戦略
Project/Area Number |
09730083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Business administration
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Research Institution | Kushiro Public University of Economics |
Principal Investigator |
須永 桐代 (中囿 桐代) 釧路公立大学, 助教授 (80274950)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 中小企業 / パートタイム労働者 / 技能形成 / ジェンダー / 地域労働市場 / 経営戦略 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域労働市場において労働者の技能の蓄積がいかに行われており、それが中小企業の経営戦略をどのように支えているかを明らかにすることである。本年度は既婚女性のパート労働者が多く雇用されている食品製造業を対象として、彼女らの労働内容、および技能形成過程が企業内での社会関係、企業外での社会関係によってどのように規定されているかを明らかにした。方法は釧路市にあるY社のパート労働者の面接およびアンケート調査によった。 その結果明らかになった点としては、以下の4点である。(1)パート労働者の労働は「単純労働」と規定されることが多いが、労働の内実としては細やかな気配りや決して良くはない労働環境への忍耐が要求されている。(2)この労働内容は技能形成を図る場合には客観化されにくい内容であるため、彼女らの技能形成は先輩から後輩へ見本を見せたり、「手取り足取り」といった方法で仕事遂行する中で行われている。(3)彼女らの先輩ー後輩間の関係は重要でこの関係を軸に労働社会を形成している。(4)彼女らはこの労働社会によって余りよくはない労働条件の下で助け合いながら就業している。(5)この労働社会はパートタイム労働者にとってはあくまで企業内のものであり、企業外においては他の社会関係が重要になっている。特に子供の事を通じた関係は彼女らにとって重要である。 このようにパート労働者は地域労働市場への拘束は強いものの企業を越えた形では技能を蓄積しておらず、その結果企業としては機械化による合理化を進めざるを得なくなっているのが現状である。 また、既婚女性であるパートタイム労働者についてはこれまで、就業しても家庭内の家事分担関係は変化しないとされてきた。しかしながら、一部ではあるが短時間パート労働者であっても、夫の家事分担が認められるなど就労によってそのジェンダー関係には変化があることも明らかにされた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)