日本企業における報告利益管理:発生項目総額からのアプローチ
Project/Area Number |
09730093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Accounting
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Research Institution | Nagoya City University (1998) Fukushima University (1997) |
Principal Investigator |
奥村 雅史 名古屋市立大学, 経済学部, 助教授 (30247241)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 報告利益管理 / 公表利益管理 / 発生項目 / 利益操作 / 裁量的発生項目 / 発生処理額 / 利益平準化 |
Research Abstract |
Feltham/Ohlsonモデルを拡張することによって、減価償却とフロー関連発生項目(具体的には、売上債権、仕入債務、棚卸資産、引当等)の発生項目(残高)に関して分析・検討した。また、そこで展開したモデルをもとに期待外収益と各種発生項目との関連を導き出し発生項目の情報内容について検討した。そこでは、報告利益管理を含めた会計政策的決定が発生項目における期待外の部分を構成し、さらに情報内容を有することが確認できた。 報告利益管理の実証的研究に関しては、製造業の全業種を対象にサンプルを収集し業績水準と報告利益管理の関係を分析した。純利益と営業キャッシュフローとの差を発生項目総額と定義し、全体サンプルを利益水準に基づいて5つのポートフォリオに区分し分析した結果、利益がプラスの企業および若干の損失を計上している企業から構成される4つのポートフォリオにおいては、利益平準化現象が観測された。これは電力業において以前に分析した結果と同様のものであった。しかし、大きく損失を出した企業からなるポートフォリオにおいては逆に損失を増大させる、すなわち、裁量的に発生項目を増大させていることが観測された。これは、いわゆるbig bathといわれる現象でありリストラ等に伴う発生項目の増大があるものと推測される。さらに、この損失企業のポートフォリオについて裁量的発生項目の情報内容を検討した。月次の異常収益率の累積値で見ると損失計上年度においては負となるものの翌年以降にプラスとなり、また5年後にはある程度大きいプラスの累積値をとなった。このことをどのように解釈するかは、今後の課題である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)