Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本年度も非可換Galois分岐被覆及びそれから派生する問題の研究を行った. 1 dihedral Galois coveringの応用のひとつとして,平面曲線の補空間の基本群が非可換になる条件を与え,岡の例を考慮すればその条件は良いものであることを示した.この結果は論文Dihedral coverings of algebraic surfaces and their applicationとしてTrans.AMSに掲載予定である.また,この研究に関連して新しいZariski pairの例もあたえた.この結果も含めた近年の成果を,'98年7月,北大で行われた国際研究集会で報告し,また,9月にSpainのValladolid大学を訪問した際,A.Campillo氏にレヴューを受けた. 2 index 19の新しいZariski pairの例を楕円曲面の理論等を用いて発見したと思い,その方面の専門家であるSpainのZaragoza大学のArtal Bartolo氏を訪問し,レヴューを受けたが,その際,証明にギャップがあることが分かった.氏が別の方法で結果の正しさを確認したが,私の方法でそのギャップをうめることはまだできておらず残念である. 3 Miranda-Perssonの問題(semi-stableな特異ファイバーを6つもつ楕円K3曲面のMordell-Weil群の決定問題)を解決し,さらにMordell-Weil群の位数が4以上になる場合は一つの例外を除いてファイバー空間として一意的に定まることを示した.論文は現在準備中である. 4 4次対称群をGalois群とするGalois分岐被覆(S_4分岐被覆)の研究を開始した.アイデアはLagrangeによる4次方程式の解法を代数多様体上の因子の言葉で書き換えていくというものである.応用として,(1)Chisiniのgeneric4-planeの新しい解釈,(2)平面曲線の補空間の研究がある.特に,(2)ではAlexander polynomialやdihedral Galois coveringなどでは得られない,補空間に関するより細かな情報をこのS_4分岐被覆が与えることが分かっている.これらの研究成果については'99年1月末の日本数学会中四国支部例会およびそれにつづく数理解析研究所における研究会で報告した.論文は現在準備中である.
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