Project/Area Number |
09740085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
解析学
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
川下 美潮 茨城大学, 教育学部, 助教授 (80214633)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 弾性方程式 / 非等方性弾性方程式 / レーリー波 / 局所エネルギー / レゾルベントの極 / レゾナンス / 非等方性 |
Research Abstract |
等方性の弾性方程式のノイマン境界値問題に対してはレーリー波と呼ばれている表面を伝わる波が存在することが良く知られている。このレーリー波に対して、局所エネルギーの減衰の速さや、レゾルベントの極の位置について様々な角度からの研究がある。本研究では非等方性弾性方程式に対してもレーリー波が存在すれば等方性の場合と同様な結論が得られるかどうかについて調べた。結果としては等方性の場合と同様、次のような性質があることが判明した。 (1) 局所エネルギーは減衰するが、その速さは非常におそい。 (2) レゾルベントの極(レゾナンスとも呼ばれている)の列で実軸に近づくものが存在する。 非等方性弾性方程式は等方性の弾性方程式に比べて構造が複雑で、このため等方性の場合と同様に議論が出来ないところがある。主な問題点はこれらの点の克服にある。特に非等方性の場合には、扱う微分作用素の特性根の重複度が一定であるという仮定をおかないようにしてこの問題を扱う必要がある。(実際、この仮定を満たさない実例がある。)そのために、どうしても一般論的な取り扱いを行わないと非等方性の場合は扱えない。この研究でのもっとも重要な点は、大きなパラメーターを持った楕円形微分作用素の一般論的な取り扱いのみで、レーリー波のように境界に強く拘束される波の性質をある程度調べること、および物理的にも意味のある仮定のみで議論ができることを指摘したことにある。 この研究の成果は既に論文投稿がなされており、掲載予定となっている。また、この研究に関連した研究が最近進んできている。これらのことを概観した講演を行った。 今後の課題としては、異なる種類の弾性体がある面でたがいに接触している場合にもこの論法が適用できるかどうかについて調べることが考えられる。
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