Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本年度の研究成果としてはまず,1次元の区間力学系に対して不変なコンパクト集合のフラクタル次元について研究を進めた.はじめに1次元の単位区間上の,一次関数の逆写像の列に対して不変なコンパクト集合を考える.これは三進カントール集合の一般化である.このカントール集合の次元については,縮小率の列が収束するときに,ハウスドルフ次元とパッキング次元は一致することが証明できた.もちろん,ハウスドルフ次元とパッキング次元が一致するなら,縮小率の列が収束することが証明できる.従って,この場合は,測度の分割のエントロピーから定義されるレイニー次元,ポテンシャルによって定義される容量次元はすべて一致し,その値はハウスドルフ次元に等しい.一方縮小率の列が収束しないとき,そしてそのときに限り,ハウスドルフ次元とパッキング次元は異なる値になる.そしてこのとき,このカントール集合のハウスドルフ次元と容量次元の値は一致し,パンキング次元とレイニー次元は一致することが証明できた.次に1次元単位区間上で,二次関数(ロジスティック写像)の逆写像の列に対して不変なコンパクト集合を考える.この場合は,次元の計算は厄介である.というのも,区間上の位置によって縮小率が一定でないからボックス次元の評価さえも困難になる.従ってこの場合,ハウスドルフ次元,パッキング次元の上と下からの評価を与えることは出来たが,そのものの値を計算することはできなかった.どのような場合にハウスドルフ次元とパッキング次元は一致し,異なるか,容量次元やレイ二ーとハウスドルフ次元,パッキング次元の関係はどうなっているかといった問題は,これからの研究課題である.
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