Project/Area Number |
09740101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
解析学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹井 義次 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00212019)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | WKB解析 / Painleve方程式 / 接続公式 / Stokes曲線 |
Research Abstract |
昨年度に引続き、Painleve方程式(P_J)(J=I,...,VI)に対する完全WKB解析を考察した。昨年度の研究により明らかになったように、(P_J)(J=III,V,VI)については単純確定特異点を起点とする新しい種類のStokes曲線が存在する。本年度はまず、モノドロミー保存変形を通じて(P_J)に付随している線型方程式を解析することにより、この新種のStokes曲線における接続公式の主要項を決定した。既に得られていた(P_I)を標準形とする単純変わり点から出るStokes曲線における接続公式と合わせ、(P_J)に対する完全WKB解析の枠組はこれでほぼ完成したと考えられる。そこで次に、この完全WKB解析をPainleve方程式の具体的な大域的問題に応用することを試みた。具体的な問題として(P_<ii>)のある接続問題を取り上げたところ、従来Ablowitz-Segur.の結果として知られていたものと完全に一致する.結果が得られることが確かめられた。即ち、(P_<II>)の接続問題が(P_I)の接続公式を繰り返し使うことで解けるのである。これはPainleve方程式の大域的な問題に対する完全WKB解析の有効性を端的に示す結果であると言えよう。しかし、例えばモノドロミー群やStokes係数の具体的計算を実行する為には、我々の用いている形式解の解析的な意味づけを明らかにし、更に現時点ではある代数函数のRiemann面の上でのみ定義されているstokes曲線とそこでの接続公式を、何らかの意味で底空間に“射影"しなければならない。こうした問題への解答のヒントを得る為に、Painleve方程式より簡単と考えられる3階の線型方程式に対応する2階非線型方程式の完全WKB解析の解明に、河合隆裕氏や青木貴史氏と共同で現在取り組んでいる。いくつかの具体例について大域的な構造が明らかになりつつある段階である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)