Project/Area Number |
09740105
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
解析学
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
田沼 一実 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (60217156)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 非等方弾性体 / Strohの定式化 / サーファスインピーダンス / 弾性方程式 / 境界値逆問題 / Transversely isotropic 弾性体 / 残留応力 / 楕円型方程式系 / transversely isotropic 弾性体 / 基本解 / Dirichlet to Neumann map / surface impedance tensor |
Research Abstract |
1, 非等方弾性体の典型例であるtransversely isotropic弾性体(横等方弾性体)に対して、境界表面でのDirichlet to Neumann mapから弾性テンソルが決定せよ、という境界値逆問題を考察した。この問題は、弾性体の境界表面での変位(Dirichletデータ)と表面力(Neumannデータ)との関係を観察することで、弾性体の材質が決定できるか、という工学的にも重要な逆問題のモデル化である。得られた結果は、Dirichiet to Neumann mapのフーリエ積分作用素の核としてのシンボルから、すべての弾性テンソルのみならず、弾性テンソルのすべての高階微分係数も帰納的に決定されるというものである。この結果とlayer stripping法とをあわせると、境界表面での観測から、弾性体内部に向かって次々と弾性テンソルとその微分係数の近似値を得るアルゴリズムが得られる。この研究では、サーフェスインピーダンスの具体的な表示式を得ることがキーポイントになる。以上の結果は、国際欧文誌SIAM Journal of Applied Mathematicsにて印刷中である。 2, 等方物質に残留応力が存在する場合、この物質の変形は非等方弾性方程式によって記述される。この方程式には、材質を決定するラーメ定数の他、残留応力がパラメターとして含まれる。本研究では、この方程式に対するサーフェスインピーダンスの公式をかなりexplicitに表現した。現在、この結果の境界値逆問題への応用を考察しており、また途中経過報告を、機械学会計算力学講演論文集に発表した。 上記1,2の研究で扱っている方程式は、どちらも楕円型方程式系である。Strohの定式化を基礎に、楕円型方程式系に対するサーフェスインピーダンスの諸性質を勘案し、その具体的な表示を通して境界値逆問題を考察したことは、昨今注目を浴びている逆問題に、ひとつの統一的な数学解析方法を提供したものと考えている。
|