グラフ上の調和解析とその古典および量子統計モデルへの応用
Project/Area Number |
09740108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
解析学
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
洞 彰人 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (10212200)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 中心極限定理 / 量子確率論 / 調和解析 / スペクトル / グラフ / 対称群 / ランダムウオ-ク / カットオフ現象 |
Research Abstract |
高い対粘性を有するグラフの上で、調和解析や表現論の方法に基づいて、主にラプラシアンのスペクトルの無限体積極限における漸近挙動を調べた。その結果を古典および量子統計モデルに関する極限定理に応用した。本年度は、量子確率論における中心極限定理についての研究で、幾つかの進展を得た。便宜上、それらを (1)一般的な理論の範疇に入る結果と(2)具体的なグラフに即した結果 とに分けて報告する。 (1)非常に多くの小さなゆらぎが積み重なってどのようなマクロ効果が観測されるかというのが、中心極限定理の基本的なモチーフである。そのゆらぎを互いに非可換な作用素によって表現し、量子力学におけるオブザーバブルの確率解釈を通して、そのゆらぎの総和を確率論的に捉えようというのが、われわれの,研究の枠組である。その際、作用素たちの統計的な独立性がクローズアップされてくる訳であるが、古典的な場合に比べて量子確率論ではこの独立性が多様な性質を内包している。本研究では、その独立性を代数的な面を主眼にして捉え、組み合せ論の議論を多用して、中心極限定理に与える影響を見た。 (2)前述のような枠組でグラフのラプラシアンを考察すると、グラフの代数的および位相的性質が中心極限定理の極限分布の形状に大きな影響を与えることがわかる。(標陽的に言って)可換性に由来するガウス分布、自由性に由来するウィグナー分布の他に、グラフの多様性を反映してさまざまな極限分布が得られた。本研究で考察した具体的なグラフとして、ハミンググラフ、ジョンソングラフおよびそれらのq-アナログ等の距離正則グラフ、対称群から派生する幾つかのケーリーグラフを挙げておく。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)