Project/Area Number |
09740181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川口 秀樹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90234046)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | コヒーレントレーディエーション / 粒子加速器 / 航跡場(ウェーク場) / Lienard-Wiechertポテンシャル / バンチコンプレッサー / 高エネルギー物理 / 境界積分方程式 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
粒子加速器の超高エネルギー化にともない、荷電粒子と電磁場の相互作用に起因する物理現象に関して、これまであまり問題視されることがなく未検討であった問題の解明がさまざまな場面で必要となってきている。とりわけ、本研究課題にあるコヒーレント放射の現象解明は次期大型線形加速器の実現に向けては避けて通れないものの一つである。これに対し、本研究計画では、大別して以下の3つの項目に関して重点的に研究を行った。 1.コヒーレント放射の数値的取り扱い方法の検討 既存の境界積分法ベースの軸対称航路場解析プロトタイプコードにおいて、形状の複雑さなどに依存しないようさらにコードの安定化を図った。また、コヒーレント放射解析のため3次元コードに拡張するにあっての定式化を行った。 2.Lienard-Wiechert場の詳細な理論研究 Lienard-Wiechert場の周波数構造および放射パターンを、さまざまな電子速度、バンチサイズ、電子軌道形状に関し計算し、どのような粒子パラメータにおいてコヒーレント放射の状況が起こりえるかを調べ、コヒーレント放射数値解析コードにおける入力データにあたる部分を整理した。 3.超高精度荷電粒子シミュレーションテクニック コヒーレント放射現象時の場の荷電粒子への正確な反作用を計算するため、一般に数値解析の精度が極端に低下するとされている超相対論領域においてさえも高精度で軌道計算が行えるスキームを検討し、プログラムのコーディング、さらに動作確認を実行した。 上記研究計画において、2及び3に関しては、概ね当初の目的を達成されたが、1に関しては、いまだ実用に耐えれるまでには達したとは言い難い。残る課題は、パラメータによってはいまだ発生する時間領域シミュレーションにおける不安定性の除去、および3次元化後、実用的に可能な計算速度、所要メモリの達成であり、これらが解決されれば、世界的にもまだ可能となっていないコヒーレント放射現象の解析が可能となる。 なお、1のコヒーレント放射数値解析コードの検討にあたっては、平成9年度にこの分野の世界的な第一人者であるK.Bane氏(スタンフォード線形加速器センター、米国)を招へいし、研究目的を詳説した上で、本研究計画に関して研究討論を行ったことを特記しておく。
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