Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
異常的(アノマラス)U(1)ゲージ対称性を含む模型は、現実的な超対称性の破れの模型として有望であり、私はこの可能性に着目し、追求してきた。97年度には、京大基研での滞在型研究会の組織委員会に参加し、アノマラスU(1)を含む超対称統一模型とその諸問題を講義した。その後、超対称性の破れが有効理論で簡潔に記述されることを発見し、従来知られていなかった場合について模型を拡張した(論文準備中)。我々の有効理論を用いると、模型を超重力理論の枠内に埋め込んで、超対称粒子の質量スペクトルについて詳細な計算をすることができる。その際に、宇宙項を零にする条件から許されるパラメータ領域を特定することが重要になる。最近、欧州のT.Barreiroらのグループは簡単な場合を解析し、宇宙項零条件からの制限が非常に厳しく、ディラトン場の寄与に上限が存在することを指摘している。我々は有効理論を用い、さらに超ポテンシャルに定数項を加えることで、彼らの上限を越えることができることを示した(論文発表済)。一方、超対称性の破れにディラトン場の寄与が重要になることが昨年、N.Arkani-Hamedら米国グループに指摘された。我々は有効理論でこのことを確認し、さらにこの場合の宇宙項零条件が、ディラトン場が無視できる場合に関係付けられることを発見した。その結果、様々な効果を明解に議論することができることがわかった。以上の成果をまとめた論文を準備中である。
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