Project/Area Number |
09740244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
溝口 幸司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10202342)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | コヒーレントフォノン / ポンプ・プロープ法 / 半導体超格子 / ポンプ・プローブ法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、フェムト秒レーザーパルスによって誘起されたコヒーレントフォノンの生成および検出メカニズムを探る一環として、時間領域分光法の一つであるポンプ-プローブ法を用いて、半導体超格子中のコヒーレントフォノンの位相ダイナミクスを調べることにある。 昨年度の研究結果から、ポンプ・プローブ法で半導体超格子に特有な音響フォノンの折り返しモードが観測され、そのモードは、ミニブリリュアンゾーンにおいてГpointとnearГpointの両方の振動モードであること、またA_1対称性を持っていることが明らかになった。この音響フォノンの折り返しモードの生成および検出機構を明らかにする為、2波長ポンプ・プローブ法を用いて実験を行った。 測定に用いた試料は、(GaAs)_m(AlAs)_n半導体超格子であり、m,nはそれぞれの層数である。長距離走査の2波長ポンプ・プローブ法を用いて半導体超格子に観測される折り返し音響フォノンの測定を行った。ここで、2波長ポンプ・プローブ法は、基本波(〜800nm)とその2倍波の波長(〜400nm)を用いて行った。その結果、2倍波をポンプ光に、基本波をプローブ光に用いた場合、nearГpointの振動モードのみが観測され、その振動数は、通常のポンプ・プローブ法で用いた得られた結果と同じ振動数であった。これは、折り返しモードのnearГpointの運動量は、生成過程に依存しているとは言えず、検出過程によって決定されていると言う事が明らかになった。また、その検出過程は誘導ラマン過程が寄与しているものと考えられる。 ポンプ光とプローブ光の波長を変え、半導体超格子の表面にクラツド層がある試料を測定した結果、Гpointの振動モードのみが観測された。これは、超格子層内のГpointの振動モードがクラッド層との界面を振動させており、それが音波となって表面まで届いている為と考えられる。
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