Project/Area Number |
09740258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
廣田 和馬 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90272012)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 巨大磁気抵抗 / Mnペロブスカイト酸化物 / バンド幅の制御 / 中性子散乱 |
Research Abstract |
Mnペロブスカイト酸化物ではMn-O_6の層状ネットワークの間にLa_2O_2層を挟み込むことで次元性を制御し、異方的な電子バンドを作り上げることが可能である。本研究ではLa_<2-2x>Sr_<1+2x>Mn_2O_7という所謂double-layerのMn酸化物単結晶の結晶構造、磁気構造、およびスピンダイナミクスを系統的に研究した。 1. 多結晶試料の育成:ガス雰囲気炉で多結晶試料を育成し、X線粉末回折装置によって単相になっていることを確認した。粉末さらにはロッド状に整形した後、FZ炉で一度溶融させた。 2. 単結晶試料の育成:FZ法により単結晶試料を育成した。育成条件を最適化することにより、中性子非弾性散乱実験に十分対応できる6mmφ×80mm程度の大型単結晶の育成が可能となった。 3. 単結晶中性子回折:x=0.40,0.45,0.48の単結晶をもちいて磁気構造を決定した。従来考えられていた単純な平面的な強磁性ではなく、面内でキャントしキャント角がホールドープとともに0から180度まで変化し、キャント磁性出現温度より上でA型反強磁性的相関が存在することを発見した。 3. 粉末中性子回折:x=0.30-0.50、T=10-300Kで粉末中性子回折を行い、磁気-結晶構造相図を完成させ、Mn-O_6の歪みとして現れる3de_g軌道自由度が磁性を支配していることを示した。 4. 中性子非弾性散乱:x=0.40の純良大型単結晶を用いてスピン波の分散曲線を測定し、double-layer内の面内と面間の交換相互作用がMn-Oのボンド長などはほぼ同じにもかかわらず、5倍程度大きさが異なることがわかった。これも3de_g軌道ではx^2-y^2状態が支配的であることを示唆している。
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