液体ヘリウム3単原子層薄膜を用いた2次元フェルミ流体の研究
Project/Area Number |
09740266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森下 將史 筑波大学, 物理学系, 助手 (90251032)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 2次元 / フェルミ流体 / ヘリウム3 / 薄膜 / 超低温 / 比熱 / 2次元フェルミ流体 |
Research Abstract |
ほぼ理想的な2次元系を与えるGrafoil表面に物理吸着したヘリウム3(^3He)薄膜について、吸着第1層液相、吸着第1層固相、吸着第2層液相と広い面密度範囲に渡り、0.1mK<T<80mKの温度範囲で比熱の測定を行った。 液相において、過去のAT&T Bell研究所のGreywall and Buschによる2mKまでの測定で、約3mKにおける比熱の折れ曲がりが超流動転移の可能性があるとして注目されていた。昨年度、吸着2層目について得られた結果と同様、吸着第1層目についても折れ曲がりはなく、Bell研グループの測定上の問題であったと考えられる。 また、吸着第1層、第2層、双方の流体相で、2次元フェルミ流体以外からの比熱の寄与が観測された。これは、Grafoil基盤の不均一な部分に吸着して生じたアモルファス状の^3Heに起因するもので、交換相互作用の広い分布を反映して、この分布程度の温度域でほぼ一定の寄与をもつと考えられている。吸着第1層固相における比熱測定結果との比較から、このアモルファス^3Heに起因する比熱がほぼ一定の寄与を与える温度の上限は、吸着第2層の形成が始まる直前の面密度で、1mK程度から10mK程度に急激に増大しており、それ以外の面密度ではほぼ一定になっている。これは、均一な領域における吸着第2層の形成に先立って、不均一な基盤上に吸着第2層アモルファス^3Heが生じていることを示している。吸着第1層固相において、広い面密度範囲に渡り、2桁以上の温度範囲で温度に反比例する比熱が観測されており、局在スピン系の比熱としては異常なものである。この異常の起源としてアモルファス^3Heの比熱の寄与の可能性が指摘されたが、この寄与は充分小さく、実験結果からその可能性が否定された。異常比熱は様々な多体交換相互作用の強い競合を反映しているものと考えられるが、さらなる解明が必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)