ドハースファンアルフェン効果を用いた異方的伝導化合物の研究
Project/Area Number |
09740279
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲田 佳彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80273572)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 重い電子系 / 超伝導 / ドハースファンアルフェン効果 / 強相関 / フェルミ面 / 非BCS / UPd_2Al_3 / URu_2Si_2 / CeRu_2 |
Research Abstract |
強相関重い電子系の超伝導は、強いクーロン反発力に打ち勝ち伝導電子がクーパーペアを形成する。そして異方的な電子対引力を反映し、等方的なBCS超伝導とは異なる特異な超伝導に転移する場合がある。本研究の目的は、様々な物理量が異方的に分布する現実のフェルミ面上に具体的にどう異方的ギャップが形成されるかを明らかにすることであり、手段として、超伝導混合状態でのdHvA効果を利用する。現在までにCeRu_2、URu_2Si_2、UPd_2Al_3の超伝導状態でのdHvA効果の観測に成功した。s波のCeRu_2から、等方的ギャップが磁場中で異方的になることと超伝導状態のdhvA効果が深く関連することを明らかにした。常伝導状態に比べ、超伝導状態のフェルミ面の大きさは変化せず、伝導電子の散乱の緩和時間は短くなり、有効質量は減少することを明らかにした。一方、異方的超伝導URu_2Si_2、UPd_2Al_3の超伝導状態でのdHvA効果の観測にも成功し、dHvA信号振幅の方向依存性を詳しく研究した。ギャップレス領域にdHvA軌道が一致するときには、ギャップによる振幅の減衰効果が抑えられることが期待されるが、現段階では明確な効果は観測されていない。観測できているフェルミ面がそれぞれ1個なので、このフェルミ面ではギャップが等方的に開いているのか、あるいは原理的に現在の測定磁場では上部臨界磁場に近すぎてギャップレスを検出することが難しいのか明らかではない。複数のフェルミ面で同様な研究を行い、バンド計算と比較し、研究を進める必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)