低次元強相関電子系およびスピン系におけるスピンギャップ形成に関する理論的研究
Project/Area Number |
09740297
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
岸根 順一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80290906)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 強相関電子系 / スピンギャップ / モット絶縁体 / 多体効果 / 繰り込み群 / 梯子型伝導体 / 有機導体 / 銅酸化物高温超伝導体 / 酸化物高温超伝導体 / 有機伝導体 / 強相関係 / 低次元系 / 次元クロスオーバー / 摂動的繰り込み群 / 非フェルミ液体 |
Research Abstract |
平成9年度から引き続き、平成10年5月まで:摂動的繰り込み群法を用いて「擬1次元有機導体系における次元クロスオーバーの問題」に取り組み、弱く結合した鎖型伝導体におけるウムタラップ散乱の効果を議論した。この結果、ウムタラップ散乱が引き起こすモット絶縁化(電荷ギャップ形成)への傾向が1粒子コヒーレンス発現を強く抑制し、代わって2粒子コヒーレンス発現に伴う反強磁性相転移が可能であることを示し、論文にまとめた。 平成10年6月-9月:繰り込み群の手法に基づいて「有限エネルギースケールで平坦な1粒子分散が関与する2次元電子系における準粒子ウェイトの異方的繰り込み効果」を考察し、論文にまとめた。これは、2次元電子系において2ループレヴェルでの繰り込み群解析を整合的に実行した最初の例であり、繰り込み群法に基づく2次元電子系の理解を進める上での手がかりとして、平成10年夏にイタリア・トリエステ国際理論物理学研究センターで行われた「強相関電子系における未解決問題に関するワークショップ」において実りある反響を得た。ここで得られた結果は、銅酸化物高温超伝導体において実験的に示唆されている異方的電荷擬ギャップ現象と矛盾しない。 平成10年9月-平成11年1月:擬1次元有機導体TM系の相図を、転移転より高温側の金属相の準粒子コヒーレンスの有無という観点から議論し、論文にまとめた。 平成10年1月-平成11年3月現在:「擬1次元系におけるアンダーソン局在とモット絶縁化の競合に対する次元性効果」および「局在スピン間相互作用とハバード型相互作用を包摂する有効ラグランジアンで記述される系の繰り込み群解析」の問題を研究中である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)