Project/Area Number |
09740302
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 寿敏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60212304)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | スピンギャップ / ハルデーン相 / スピン・パイエルス転移 / 非整合相関 / 不純物効果 / 二本鎖梯子格子 / 厳密対角化法 / リカージョン法 / 量子スピンモデル / スピンパイエルス転移 / フラストレーション / 圧力効果 / 一重項波動関数 |
Research Abstract |
擬一次元量子スピン系の研究は、高温超伝導体の擬ギャップ問題と関連して活発に行われており、それらの物質が示す様々な性質を統一的に説明することが緊急の課題になっている。本研究では主に厳密対角化法とリカージョン法、変分法を用いて、基礎的な一次元モデル(結合交替と次近接交換相互作用をパラメーターに含むハイゼンベルクモデル)を厳密に扱い、その結果と実験結果との比較を基に高次元の効果などを考察した。主な成果を以下に箇条書きにする。1.スピンパイエルス転移を示す物質CuGeO_1の様々な物性を調べた。(1)様々なモデルパラメーター値に対して動的構造因子S(q,ω)を計算し、最近得られた非弾性中性子散乱スペクトルと比較して、パラメーター値を決定した。比較的大きな次近接相互作用がこの物質の特異な物性に重要な寄与を及ぼしていることが解った。(2)低温及び高圧下におけるCuGeO_3の様々な物性は、加圧によって次近接相互作用が相対的に増大すると仮定すると、首尾一貫して説明できることを示した。2.強磁性-反強磁性結合交替化合物である単斜晶CUNb_2O_6の様々な実験結果が同じモデル(異なったパラメーター)によって説明できることを示した。また、強磁性-反強磁性結合交替系では、高エネルギー側に強磁性結合の切断による磁気励起の分岐が存在することを明らかにした。3.スピンギャップ物質は、その不純物(元素置換)に対する挙動によって大きく二分される。元素置換に対して、ハルデーン系や結合交替系はギャップの性質を維持するが、スピンパイエルス系や梯子格子系は微量の元素置換でギャップが壊れ、反強磁性長距離秩序が出現する。上記モデルにはこれら全ての系が包含されており、広いパラメーター領域で性質を調べることによって不純物効果の違いが説明できた。
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