異方的超伝導における集団励起、特にCarlson-Goldmanモードの研究:物理的性質の解明と観測手段の開発
Project/Area Number |
09740304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大橋 洋士 筑波大学, 物理学系, 講師 (60272134)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 超伝導 / 層状物質 / 集団励起 / 位相モード / Carlson-Goldmanモード / プラズマ / ランダウ減衰 |
Research Abstract |
超伝導状態における集団励起を研究、本年度研究課題に対し以下の成果を得た:(1) 2次元d波超伝導におけるCarlson-Goldman(CG)モードをクリーンな系に対し調べ、このモードが転移温度以下かなり低温に至るまで存在し、かつ位相揺らぎのスペクトル中にピークとして現れることを見い出した。これは転移温度直下でしか存在せず、またクリーンな系ではランダウ減衰の為スペクトル中にピークを作らないs波の場合とは大きく異なる結果である。この差異はd波の場合、秩序パラメータのノード周辺に熱的に励起された準粒子が低温に至るまで多数存在、電子間クーロン相互作用をスクリーンすることに起因するものである。 (2) 銅酸化物高温超伝導c軸方向に見られる低エネルギー(Josephson)プラズマについて、その温度依存性の起源、CGモードとの結合、秩序パラメータの対称性の効果を研究した。c軸方向の電子の運動に散乱機構が存在すると、実験で観測されたような「転移温度以下でのみ存在するプラズマ」が得られ、その時のプラズマは主に2流体描像における超流体成分の振動によるものであることを明らかにした。また、低エネルギープラズマは極解析の範囲では転移温度近傍でCGモードと結合し、1つのモードとなってしまうものの、そのような状況下でも電荷揺らぎ、位相揺らぎのスペクトル中ではそれぞれ独立に観測可能であることを見い出した。更に、低温でのJosephsonプラズマエネルギーの温度依存性の巾から、秩序パラメータの対称性、散乱機構の起源を探ることが可能であること提案した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)