Project/Area Number |
09740312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小西 哲郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30211238)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | カオス / ハミルトン系 / 構造形成 / カオス的遍歴 |
Research Abstract |
自由度の大きなハミルトン系あるいはシンプレクティック写像における空間的構造の形成と遷移に関して研究した。 1. 多自由度保存系での相空間構造の理解 相空間構造を理解するためには、その骨格を作っている不変多様体(安定および不安定多様体)の配置を理解することが重要である。少数自由度系での安定多様体と不安定多様体の相互位置関係についてはこれまでも多くの研究があったが、今回多自由度系でのその問題に着手し、少数自由度系と共通する側面、多自由度系の特徴的な側面がそれぞれ明らかになりつつある。 作用原理を用いた数値計算により、安定・不安定多様体を相空間の中から検出する方法を開発することにより、それらの位置関係が明らかになった。これは状態の変化率を計算する上で重要な知見である。 2. 1次元重力多体系での構造形成について 1次元重力多体系は長距離相互作用を持つ保存系力学系の中で基本的なものの一つである。これまでも我々はこの系について研究を重ねて来たが、重要な結果として以下のことが分かった。系は多数の準安定な状態を持つ。系が自分のハミルトニアンに従って時間発展することにより、それらの準安定状態間を(外場の影響ではなく)遷移する。熱平衡状態は、この遷移を繰り返す過程の長時間平均として実現し、どれか一つの準安定状態が支配的になるということではない。遷移の具体的なプロセスは、準安定状態が粒子放出にたいして不安定化することにより起きる。 今回の科学研究費補助金で購入した備品は、以上の研究において非常に有効であった。特に、研究の過程ではデータ蓄積および解析用にディスクドライブが、計算磯の運転管理のために書籍マニュアルが大変役に立った。これらがなければ研究の続行は不可能であったであろう。
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