Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
現在までに,電子相関の効果を解明するため二重光電離過程で生じる電子間の角度相関を以下の条件で測定した。実験は高エネルギー加速器研究機構・物質科学研究所・放射光施設内の円偏光ビームラインBL-28Aでおこなった。 (1) Heを標的とし光のエネルギーから電子の結合エネルギーを差し引いた余剰エネルギーが (I) 10eVで放出電子が余剰エネルギーを1:1,1:2,1:8に分け合う場合。 (II) 40eVで放出電子が余剰エネルギーを1:1,1:7,1:19に分け合う場合。 (2) Neを標的とし終状態がHeの場合と同じ^1Poについて余剰エネルギーが40eVで放出電子が余剰エネルギーを1:1,1:2,1:8に分け合う場合。 (1),(2)のいずれの場合も,右回り円偏光と左回り円偏光による測定結果の差,円二色性が観測された(余剰エネルギー等配分の場合は除く)。(1)-(I)については観測データの解析も終了し,これまで報告されていないアンバランスに余剰エネルギーが分配される場合の双極子遷移モーメントの導出に成功した。この双極子遷移モーメントを使って円および直線偏光成分が電子の角度相関に与える寄与を見積もったところ,放射光に含まれる割合が円偏光に比べて低い直線偏光成分の寄与が予想よりはるかに大きいことがわかった。そこで測定データからこの直線偏光成分の影響を取り去り,真の円二色性を引き出すことを試み,それに成功した。(1)-(II)および(2)については現在解析をおこなっている最中である。 本研究で得られた結果は世界的に注目され,オーストラリアのオーストラリア国際大学Dr.Kheifetsから彼がおこなった理論計算と本結果を比較するためデータの提供を求められた,また,イギリスのニューカッスル大学Dr.Reddishとの共同研究が開始される予定である。
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