Project/Area Number |
09740331
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
丹澤 和寿 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (60236776)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 高分子 / 球晶 / 成長速度 / 温度依存性 / 膜厚依存性 |
Research Abstract |
現在の高分子の結晶の成長モデルを分析すると、『高分子結晶は多核成長様式で成長している』という命題を所与とした場合、多核成長様式での最大成長速度と最少成長速度の比はL/4a以下でなければならないという結論が導かれる。ここで、Lは成長面の幅、aは分子鎖一本の幅である。サブミクロンフィルム中で成長させた高分子球晶の場合、Lの値はその膜厚を上限として見積もることができ、L/4aの値は10^2のオーダーとなる。然るに、通常の高分子球晶の成長速度は10^3以上変化するのが普通であり、これにより現在の高分子の結晶成長に関する認識の妥当性を検討する事が可能となる。昨年度は、このクライテリオンに基づきポリパラフェニレンスルフィド(以下PPS)球晶の成長速度に関する研究を行ない、PPSの成長速度変化は現行の成長モデルでは全く説明出来ないという結論に達した。 しかしながら、PPSはある意味で特殊なポリマーであり、この結論がPPSの場合に限定されるものなのか高分子一般に普遍化し得るものであるかは不明と言わざるをえない。この点を鑑み、今年度はよりキャラクラタイズされているポリマーであるポリビニリデンフルオライド(以下PVDF)のα球晶について同様の測定を行なった。PPSに比してPVDFは複屈折量が小さいためコンクルーシブな結論とはならなかったが、それでも現実の成長速度依存性などから判断してPPS同様PVDFの場合も現行の成長モデルは不適切であるとほぼ結論づけてよいと思われる結果を得た。
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