Project/Area Number |
09740334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横山 順一 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (50212303)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 宇宙の大域構造 / 密度揺らぎ / 非線型成長 / 観測的宇宙論 / 統計解析 / 特異速度場 / インフレーション宇宙論 / 宇宙背景輻射 / 宇宙の大規模構造 / 摂動論 / 統計分布 / ボイド |
Research Abstract |
本年度はまず、銀河の二体特異速度分布に関して昨年度に得られた研究成果を論文に刊行した。すなわち、観測及び数値シミュレーションから得られている指数関数的分布を、ラグランジ的摂動論で説明可能であることが公刊された。しかしこの理論には、得られる分布のピークの位置が数値シミュレーションと強非線形領域においてずれるという問題があった。そこでこの問題に取り組むため、ラグランジ摂動論と運動方程式から素直に得られる高次オイラー摂動論を比較検討し、その結果、重力ポテンシァルの進化と密接に関係した量の進化を追うには、前者は不向きであることを明らかにした。 近年特異速度場の分散の歪度や尖度といった高次モーメントによって宇宙の密度パラメタ等の決定を試みる提案がなされている。本年度は前年度に行った特異速度場の領域毎の揺らぎ、つまりサンプルバリアンスの研究の経験を生かして、こうした高次モーメントのサンプルバリアンスを計算した。その結果、こうした高次モーメントの期待値自体は高次摂動論によって初めてゼロでない値が得られるが、その揺らぎは既に線形摂動論において現れることを示し、従って、こうした統計量には大きなサンプルバリアンスがあることを明らかにした。 このほか、非線形ボイドが宇宙背景輻射の揺らぎに与える影響を定量的に解析し、その成果を公表した。また、初期宇宙における強非線形現象として大きな密度揺らぎによって原始ブラックホールの形成を予言するインフレーションモデルの構築に成功した。さらに、インフレーション、密度揺らぎの形成を実現する素粒子模型の構築を行うなど、極めて大きな研究成果をあげた一年であった。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)