スペシエーション,3次元蛍光法による陸水生態系における炭素の移行挙動の解明
Project/Area Number |
09740411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地球化学
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中口 譲 近畿大学, 理工学部, 講師 (30188916)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 蛍光物質 / 溶存有機炭素 / 3次元励起蛍光法 / 地下水 / 炭素循環 / 河川水 |
Research Abstract |
平成10年度は陸起源物質の指標となるラミン酸、フルボ酸を地下水より濃縮、精製し、その蛍光特性を調査した。また蛍光性腐植物質の外洋における挙動を溶存有機炭素(DOC)、栄養塩類、クロロライル類の分布と比較し、調査した。 1. 地下水腐植物質の蛍光特性:地下水腐植物質は千葉県茂原市より採取した試料より、分離、精製したものを用いた。まず、市販フミン酸、地下水フミン酸、地下水ラルボ酸の3次元励起・蛍光スペクトルを測定したところ、それぞれ、励起波長(EX.)280nm/蛍光波長(Em.)500nmおよびEx.450nm/Em.530nm、Ex.245nm/Em.395nmおよびEx.295nm/Em.405nm、Ex.235nm/Em.420nmおよびEx.315nm/Em.410nmに蛍光ピークが認められた。市販フミン酸と地下水フミン酸のスペクトル形状を比較すると、ピーク位置は異なり、腐植物質の形成過程の相異すなわち土壌有機物の組成の違いを反映していると考えられた。また地下水フミン酸、フルボ酸のIRスペクトルの結果からは3500cm^<-1>および1400cm^<-1>に見られるアルコール性および芳香族性-〇H基の振動に由来するシグナルの相異が認められ、このことがフミン酸、フルボ酸の蛍光特性に反映しているものと考えられた。この結果と昨年報告した淀河川水の蛍光特性をもとに2.の外洋域における蛍光物質の特性を調査した。 2. 外洋における蛍光物質の分布挙動:北西太平洋上にてCTD-CMSを用い海水試料を採取した。試料はガラス繊維ろ紙にてろ過し、ろ液について、3次元励起蛍光スペクトルを測定した。その結果、試料中にはEx.260nm/Em.380〜420nm(Peak A)およびEx.275nm/Em.340nm(Peak B)に蛍光ピークが認められた。また蛍光強度の鉛直分布は表層で低く、水深が深くなるに連れて増大する傾向を示し、DOCやクロロフィルの分布とは異なっており、この起源が陸に由来するのではなく、海洋に由来すると考えたほうが妥当であるとの知見を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)