光励起水銀原子と水素分子との反応によって生成した水素原子の速度・角度分布の測定
Project/Area Number |
09740412
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥西 みさき 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (80224161)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 交差分子線 / 化学反応 / ポンプ・プローブ / 水銀光増感反応 / ポンプ・プローブ法 / 水銀光増尺反応 |
Research Abstract |
本研究の目的は、交差分子線装置を用いて,253.7nmの光で励起された水銀原子と水素分子との反応によって生成する水素原子の速度・角度分布の測定を行い、この反応過程の詳細なダイナミックスに関する議論を行うことにある。本年度は,まず昨年度から製作中であった回転型飛行時間(TOF)分析装置を既存の交差分子線チャンバーに取り付け,予備実験として幾つかの分子の光解離により生成する水素原子の(2+1)共鳴多光子イオン化法による検出を試みた。その結果,我々の装置では残留ガスからの光解離生成水素原子のイオン化シグナルや残留ガスそのものの非共鳴多光子イオン化シグナルが予想される反応生成水素原子より遥かに強く観測されることがわかった。そこで真空チャンバーの真空度を改善するために残留ガス吸着用液体窒素シールドを製作し,主チャンバー内に設置した。これによりある程度残留ガス起因のイオン化シグナルは減少したが,それでもまだ反応生成水素原子を観測するには不十分なので,水素原子の検出方法を紫外光を用いた(2+1)共鳴多光子イオン化法から,レーザー光の3倍波発生によって生成した真空紫外光を用いた(1+1)共鳴多光子イオン化法に変更することにした。この方法では残留ガスの非共鳴イオン化の原因である強力な紫外光がないため残留ガスのシグナルは光解離生成物のイオン化シグナルだけになる。そこで更に水素分子のかわりに重水素分子を用い,測定には重水素原子の共鳴性を利用することにより,残留ガス起因の水素原子のシグナルを除去する。現在この真空紫外光を用いた予備的な実験を行っているところである。ただし,3倍波発生によって生成した真空紫外光は強度が非常に弱いので,回転式のTOF装置を用いた1次元測定では交差分子線実験で生成した反応性生物の測定は困難であると予想される,従って,測定の多次元化が絶対に必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)