Project/Area Number |
09740420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
恩田 健 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (60272712)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ピコ秒 / 赤外 / ゼオライト / 振動緩和 / 過度吸収 / 水素結合 / メタノール / 位相緩和 / 固体表面 |
Research Abstract |
酸化物表面はユニークな反応場として知られており、そのため不均一触媒として広く利用されている。しかしながらそのような反応のメカニズムの分子レベルでの解明はほとんど行われていない。そこで酸化物としてゼオライトを用いその細孔内に吸着した分子のダイナミクスをピコ秒オーダーのパルス幅をもつ赤外レーザーを用いて実時間で観測することを目的として研究をおこなった。本研究では特にゼオライト表面水酸基に水またはメタノールが水素結合した系に着目した。 実験では、ピコ秒モードロックNd:YAGレーザーを励起光源とした光パラメトリック発生・増幅(OPG/OPA)及び差周波発生(DFG)により波長可変赤外パルス(25ps)を得た。ポンプ・プローブ法を用いて、振動励起状態(v=1)の緩和速度および振動励起後の過渡吸収スペクトルを測定した。 まず水・ゼオライト系において、吸着水分子(D_2O)の反対称伸縮振動(v3)をv=1へ励起するとその過渡吸収スペクトルには励起したv3の他にやや低波数に位置する対称伸縮振動(vl)のブリーチとそれぞれのモードのv=2←1への吸収の増加が見られた。このことは、最初に反対称伸縮振動を励起するとそのエネルギー(2700cm^<-1>)は準位の近い対称伸縮振動への振動緩和がおこるが、よりエネルギーの低い水素結合の解離(800cm^<-1>)には使われず、表面へ緩和してしまうことを示している。 一方、メタノール・ゼオライトの系は水・ゼオライトの系と対照的な結果が得られた。すなわちメタノールのOH伸縮振動をv=1へ励起するとその準位のポピュレーション変化は単純な指数関数的な減少にはならず複雑なものととなった。このとこは構造変化のない振動緩和のメカニズムでは説明することができず、水素結合を切断し構造の変化が起こっていること示している。つまり、この系では振動励起のエネルギーが表面へ緩和する前に水素結合を切断するのに使われているのである。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)