溶液の高次非線形分光と化学反応ダイナミクスの理論研究
Project/Area Number |
09740426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斉藤 真司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70262847)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 2次元ラマン分光 / モード間結合 / 均一・不均一広がり / 超臨界状態 / プロトン移動 / 揺らぎ / 液体のダイナミクス / 高次非線形分光 / 二次元ラマン分光 / 液体ダイナミクス / モード結合 / 分子動力学法 / 基準振動解析 / バイスペクトル |
Research Abstract |
2次元ラマン分光(5次非線形分光)は、液体の幅広い振動スペクトルを均一および不均一広がりに分類する目的として、谷村-Mukamelにより提案されたエコータイプの分光法である。彼らの提案後、富永-吉原達により何種類かの溶液系に対して2次元ラマン分光の実験が行われたが、不均一性が大きいと考えられる系に対してもエコーシグナルは見られず、2次元ラマン分光のシグナルがどのような量を反映しているか明確ではなかった。我々は、現実系に対応する多モード系の2次元ラマン分光の古典的表式を調べ、誘電緩和や通常のラマン散乱では得られない位相空間変形の情報が含まれていることを見出し、また、異なる振動数を持つ2個のモードの励起により生じるモード間結合が存在することを明らかにした。実験では、フェムト秒パルスを用いて複雑に結合する分子間振動モードを一度に全て励起する。そのため、強いエコーシグナルを示すと思われていた振動数揺らぎの全く無い不均一系においても、分子間振動モード間結合によりエコーシグナルが極めて弱くなることを水とCS_2の例で示した。この結果は、従来の『エコーシグナルの消失=均一系』という考えに注意を呼びかけ、モード間結合によるエコーシグナル消失の新たなメカニズムを示した。また、2次元ラマン分光法からは、他の分光法では容易に得られないモード間結合の情報が得られ、混合溶液や化学反応系等に対する今後の発展に興味が持たれる。 溶液内化学反応の研究に関しては、反応に伴う溶質の電子状態変化に適応できるようにab initio計算とモンテカルロ計算を組み合わせた方法の開発を進めた。我々は、溶媒和状態の反応への影響として超臨界状態における水分子のイオンおよびラジカル解離過程の安定性、また、溶媒の揺らぎの化学反応への影響として水および氷中のプロトン移動機構の解析を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)