発光-フラグメントイオンコインシデンス測定で見る超励起分子の解離ダイナミクス
Project/Area Number |
09740435
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古屋 護治 (古屋 謙治) 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (70229128)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 電子衝撃 / 反応素過程 / 超励起分子 / 発光 / エチレン / コインシデンス測定 / 解離性イオン化 / アセチレン |
Research Abstract |
本研究では種々の分子を電子衝撃により励起し、生じた発光とフラグメントイオンの相関を観測することによって発光を伴う解離性イオン化過程のダイナミクスについて理解を深めていくことを目的としている。本年度は科学研究費交付の最終年度である。研究課題遂行に必要な装置の開発は昨年度中に終了しており、本年度は、種々の試料(エチレン、メタン、アセチレン、四弗化メタン、三弗化メタン、亜酸化窒素、二酸化炭素)について測定を行った。その結果、多くの試料において、高励起親イオンが発光した後に解離を起こす過程を考えなければ説明できないスペクトルを観測した。このような発光はこれまでまったく報告されておらず、本研究によって初めて観測されたものである。これらの結果については、順次学会誌等への公表を進めている。 本研究をさらに発展させるため、液体試料についても測定が行えるよう装置を改良した。そして、水分子について測定を行った。その結果、発光性イオンである、H_2O^+,OH^+イオンを観測した。光学フィルターを用い発光波長を限定して測定したところ、励起水素原子とOH^+イオンの相関はなく、観測されたOH^+イオンはすべてOH^+イオン自身からの発光と相関していることが明らかとなった。昨年度開発したモンテカルロシミュレーションプログラムを用いてOH^+バンドの線形をシミュレートし、並進エネルギー分布を求めることができた。 以上のように、本研究によって高励起イオンの解離過程についてこれまでまったく知られていなかった過程を観測することに成功した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)