クラスターと固体表面との衝突反応における表面の電子構造・幾何構造の影響
Project/Area Number |
09740452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
安松 久登 豊田工業大学, 工学部・客員助手(常勤) (20281660)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | クラスター / クラスターイオン / 表面衝突 / スパッタリング / シリコン表面 / グラファイト表面 / タングステン表面 / 二硫化炭素 / 分子動力学シミュレーション / ICl^-(CO_2)_n / (Ar)_n^+ |
Research Abstract |
1. 表面の加熱処理装置 電子衝撃加熱装置を設計・製作した。電子のエネルギーを1.5keVに設定して、厚さ0.1mmのタングステン表面に衝突させることにより、タングステンを約1000Kまで加熱することに成功した。この表面にアルゴンクラスターイオン(Ar)_8^+を衝突させると、表面に存在する酸化タングステンクラスター負イオンがスパッタされてきた。今後、2000Kまで加熱できるように、装置を改良する。 2. シリコン清浄表面の作成とこの表面に対するクラスター衝突 Si(111)表面を1300Kに加熱して、清浄表面を作成した。この表面に二硫化炭素クラスター負イオン(CS_2)_n^-や硫化カルポニルクラスター負イオン(OCS)_n^-を衝突させた。その結果、クラスター内反応が進行し、S_3^-、S_2^-、S^-など生成されることがわかった。今後は、これらの生成物の速度分布を測定し、クラスター内反応機構を解明する。 3. クラスターイオンによる表面のスパッタリング過程 二酸化炭素クラスター正イオン(CO_2)_n^-を高配向性グラファイト表面に5-14keVのエネルギーで衝突させた。グラファイト表面は、衝突実験の5分前に約500Kに加熱して、表面に存在する水や炭化水素などの物理吸着物質を除去した。クラスター衝突によりグラファイト表面がスパッタされて、炭素クラスター負イオンC_n^-(m=1-12)が生成された。衝突速度をそろえて比較した場合、(CO_2)_n^-中に含まれる二酸化炭素分子1個あたりの炭素原子スパッタ収率は、(CO_2)_n^-のサイズの自乗(n^2)に比例して増加した。また、スパッタされてきたC_m^-のサイズの平均値は、(CO_2)_n^+のサイズの1/3乗(n^<1/3>)に比例して増加した。この現象を理論的に解明するため、多体相互作用ポテンシャルを用いた分子動力学シュミレーションコードを作成した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)