ヘテロ原子を有する新規な平面性化合物の合成とその構造および物性に関する研究
Project/Area Number |
09740457
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
木村 毅 岩手大学, 工学部, 助手 (70241784)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ヘテロ原子 / 平面性化合物 / チアントレン |
Research Abstract |
我々はこれまでヘテロ原子間相互作用に関する研究を継続して行ってきたが、本研究ではこれまでの研究に関連して、ヘテロ原子間での相互作用が有機化合物の反応に対してどのような効果を有するのかを検討した。また新たに、有機導電性物質への応用が期待できる新規なチアントレン誘導体やベンゾトリチオール誘導体を合成し、これらの電気化学的な性質についても調査した。 その結果、ヘテロ原子間相互作用の強さが1,9-二置換ジベンゾチオフェン類の、熱分解や光分解反応に対して大きく影響することを明らかにすることができた。また、得られたジベンゾ[bc,fg][1,4]ジチアペンタレンやトリフェニレノ[4,5-bcd]チオフェン誘導体は、電気化学的な研究により、電極表面上でポリチオフェンに類似した物質を生成することが明かとなった。ポリチオフェンは導電性材料として注目を集めている物質であるので、ジベンゾ[bc,fg][1,4]ジチアペンタレンやトリフェニレノ[4,5-bcd]チオフェン誘導体は、今後導電性機能材料への応用が期待できるものと考えられる。 一方、今回新たに合成した新規なチアントレン誘導体やペンゾトリチオール誘導体は、電気化学的な酸化還元反応が可逆に進行することが明らかとなった。また、これまでの検討の結果、これらの化合物のラジカルカチオン種やジカチオン種を安定に単離できる見通しが得られた。これは今後有機磁性体や導電性物質を開発、設計していく上で重要な知見である。 以上の結果は今後へテロ原子を有する機能性分子を設計、合成し、実用化を進めていく上で重要な知見であると考えられる。また、これらの研究成果は下記の論文で報告するとともに国内外の学会において発表を行なった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)