ニトリニルニトロキシドラジカルが架橋した異種金属多核錯体の構築
Project/Area Number |
09740489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 孝義 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80249953)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ニトロニルニトロキシド / イミノニトロキシド / ラジカル錯体 / コバルト(II)錯体 / マンガン(II)錯体 / ニッケル(II)錯体 / 亜鉛(II)錯体 / 構造一磁気化学 / ニトロニルニトロキシドラジカル / イミノニトロキシドラジカル / コバルト(III)錯体 / ESRスペクトル / ラジカルビルディングブロック / 多核錯体 |
Research Abstract |
本研究では、ピリジル置換基を持つニトロニル(およびイミノ)ニトロキシドが遷移金属イオンに配位した新規単核および多核金属錯体の合成、およびその構造、分光学的・磁気的性質の解明を目指した。2-,3-または4-ピリジル置換二トロニル(およびイミノ)ニトロキシドラジカル(NITnpy,IMnpy:n=2,3or4)を用い、種々の新規単核遷移金属錯体の合成に成功した。得られた錯体の分子構造は、用いたニトロキシド配位子の立体的な特徴を反映し、劇的に変化することを明らかにできた。例えば、M(II)(M=Mn,Co,Ni,Zn)イオンを用いた場合、四面体型4配位錯体および幾何構造の異なる八面体型6配位錯体のいずれかを選択的に得ることができた。このことは、昨今活発に研究が行われている有機ラジカルを含む遷移金属錯体において、分子の構造と磁気的性質の相関を理解するうえで非常に重要である。すなわち、これまで金属イオンとニトロキシドラジカル配位子との間に反強磁性的相互作用のみが観測されていた錯体系においても、配位子の適切な設計により錯体の幾何構造を変化させれば、金属イオンとラジカル配位子間に強磁性的相互作用を示す化合物を得ることが可能であり、今後強磁性材料を分子設計するうえで有用な指針を見いだすことができた。上記の新規錯体では、分子内磁気的相互作用はかなり強いものの分子間の磁気的相互作用は比較的弱い。しかし、この単核ラジカル錯体にはさらに金属イオンに配位可能な部位が存在するため、次に分子間のより強い磁気的相互作用の創出を錯体の多核化により試みた。単核ラジカル錯体をビルディングブロックとして用い、異種金属多核錯体の合成を試みたが、現在のところその合成には成功していない。これは適切な合成条件を見いだせなかったためであり、今後もなおその合成法の検討を行っていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)