Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
本研究では、すでに14員環のリンマクロサイクル配位子をもつPd^<2+>とpt^<2+>錯体を単離しその性質を明らかにしている。そこで、本年度は環を拡張した16員環錯体を取り上げた。2座のリン配位子MeP(H)CH_2CH_2P(H)Meを2つもつPd^<2+>またはpt^<2+>平面4配位錯体を合成し、次いで、塩基でリン上のプロトンを引き抜き、ジハロゲン化されたC_4の炭素鎖と反応させて環化を行った。C_4の炭素鎖には、フレキシブルなアルカンを避け、オレフィンあるいは芳香環によってcis型に固定された、1,4ジハロゲノ-2-アルケンあるいはジハロゲノ-o-キシレンを用いた。さらにo-キシレンを環化試剤とした場合には、ベンゼン環の電子的効果を変えるために、ベンゼン環の2,3,4,5位をテトラメチル化あるいはテトラフルオロ化したしたものについても合成を行った。何れの場合にも、リンのNMRスペクトルより、目的の大環状錯体が生成していることが確認できた。さらに、1,4-ジクロロ-2-ブテンで環化した錯体1については、cis型とtrans型の両異性体のX線構造を何れも決定した。また、2,3,4,5-テトラメチル-ジブロモ-o-キシレンで環化した錯体2については、trans型のX線構造を決定できた。 合成したこれら一連の16員環テトラホスファマクロサイクル錯体を用いて、平面4配位錯体の空いたアキシャル配位座へのCl^-およびCN^-の配位挙動を調べた。その結果、1に比べて2は、ベンゼン上の置換基のいかんに関わらず、遥かに高いアニオン受容能をもつことが判った。
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