外場により分子透過特性が制御される配位高分子膜の構築
Project/Area Number |
09740496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University (1998) Tokyo Metropolitan University (1997) |
Principal Investigator |
近藤 満 京都大学, 工学研究科, 助手 (80254142)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 配位高分子 / チャンネル構造 / 三次元構造 / 多孔性化合物 / 金属錯体集積体 / 三次元ポリマー / 多孔性結晶 |
Research Abstract |
外場に応答する配位高分子膜の構築に向けて、種々の多孔性配位高分子の合成と、単結晶構造解析による構造決定を行った。特に、10核バナデート錯体をビピリジニウムジスルフィド(H2dpds)で連結された多孔性配位高分子の合成に成功した。この配位高分子はアンモニウムバナデートとビピリジルジスルフィドを酸性水溶液中で反応させ、この配位高分子を黄色の針状結晶として単離できた。単結晶構造解析の結果、ポリオキソバナデート間をH2dpdsが二重に連結した一次元骨格を形成していることが明らかとなった。H2dpdsのピリジル窒素はプロトン化されており、それら2つの内、1つが水素結合により直接バナデートに結合している。残りのピリジンは水分子を経由して水素結合でバナデートに連結していることが分かった。これらの一次元鎖が規則正しく配列することにより、チャンネル器壁にバナデートが組み込まれた新規な多孔性配位高分子が生成していることが分かった。チャンネルの大きさは約2x5オングストロームで、内部には水が結晶溶媒として取り込まれており、さらにバナデート錯体と水素結合で連結している。乾燥サンプルの粉末X線解析を行った結果、チャンネル内部の水が抜けた後でも、多孔性骨格は安定に維持されていることが明らかとなった。誘電特性のあるバナデートがチャンネル骨格に固定されており、電場により、その構造、電子特性が制御されうる多孔性構造を有していることが分かった。また、この化合物は、3核以上の金属錯体がチャンネル内に組み込まれた最初の例である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)