Project/Area Number |
09740497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西岡 孝訓 大阪市大, 理学部, 講師 (10275240)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ロジウム / ジセレニド / テトラセレニド / 架橋メチレン / 動的挙動 / 構造異性体 / 二核錯体 / 四核錯体 |
Research Abstract |
trans-[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2Cl_2]はNaSeHあるいはH_2Seと反応し、架橋SeH配位子をもつ[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-CeH)]^+を与える。過剰のNaSeHあるいはH_2Se存在下で、この架橋SeH錯体を空気酸化することにより長方形型シクロテトラセレニド配位子をもつロジウム四核錯体[{(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2}_2(μ-Se_4)]^<2+>を得た。この錯体のX線結晶構造解析では、結晶化に用いた溶媒によってテトラセレニド配位子の長辺と短辺が互いに入れ替わった構造が現れ、二つの構造異性体の存在が明らかとなった。これらの異性体は溶液中で全く同じ^1H、^<13>C、^<77>Se NMRスペクトルを与え、室温では1種類の、低温では2種類の錯体に由来するシグナルが観測される、この結果はテトラセレニド錯体の異性体の存在とこれらの異性体間の相互変換によるものと説明できる。また、このテトラセレニド錯体がNaBH_4による還元反応によってRh-Rh結合に垂直な二つのSe-Se結合が切断されたジセレニド錯体[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-Se_2)]を与えることを^1H NMRスペクトルより明らかにした。このジセレニド錯体は類似のジスルフィド錯体[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-S_2)]と同様に非常に空気に不安定であるが、酸素との反応でジスルフィド錯体のように酸素化錯体を与えない。しかしtrans-[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(CH_3CN)_2]との反応ではジスルフィド錯体では見られなかった四核ロジウムジセレニド錯体[{(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2}_2(μ_4-Se_2)]^<2+>が生成する。また、この錯体が溶液中でジセレニドまわりの反転による動的挙動を示すことを^1H NMRスペクトルの温度変化から明らかにした。
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