Project/Area Number |
09740512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高岡 毅 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (90261479)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 表面 / 光化学 / 分子線 / 触媒 / 赤外分光 / 質量分析 / CO / 酸化反応 |
Research Abstract |
本研究では、固体表面における光化学反応機構の解明と新たな反応の発見を目標としている。表面反応としては触媒反応とも関係のある2分子反応を考える。2分子間で起こる光化学反応では、少なくとも一方の分子が光励起されるが、本研究では、もう一方の分子を超音速分子線の技術を用いて運動エネルギーを励起することにより、詳しく反応機構を調べ、さらに新たな反応の発見を目指した。 反応に関与する2分子の一方を光で励起し、もう一方の運動エネルギーを超音速分子線で励起するが、まず、各励起について知る必要がある。とくに後者の、運動エネルギーを励起した分子と固体表面の反応については、研究例が非常に少ない。そこで、まず、超音速分子線技術を用いて作成した分子と固体表面の吸着反応を調べた。半導体産業において重要なシリコン表面窒化反応に関連してSi(100)表面におけるNH_3分子の吸着について実験を行った。 Si(100)清浄表面にNH_3分子を照射するとNH_3分子がNH_2とHに解離して吸着する。表面が100K程度の低温の場合はSi(100)表面におけるNH_3分子の吸着確率は1.0であるが、温度が上がるにつれて吸着確率が減少することが明らかになった。表面温度が300Kでは吸着確率が0.9であるのに対し、600Kでは0.4と減少する。こういった実験結果を考察することにより、分子は表面に照射されると一旦表面近傍の準安定状態に捕捉され、その後に吸着状態に入ること、またそれら状態間のエネルギー関係などを明らかにした。 超音速分子線技術を用いて作成した分子と固体表面の反応について調べた上で、次の段階として目標とした、光励起と運動エネルギーの励起を同時に行う実験を行う予定であったが、残念ながら運動エネルギーの励起に関する実験を行うにとどまった。
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